メイソンズ マンダレーシリーズのミルクピッチャー。
メイソンズは、1796年に操業を開始した英国の老舗陶磁器メーカー。
創業当初は、中国からの陶器輸入などをしていましたが、それで財をなし、1806年には自社を窯元として陶器の製造を始めます。東洋風の花やウィローパターンなど転写や手描きを組み合わせた品々を多く生産しますが、1968年にはウェッジウッドの傘下にはいったといわれています。
メイソンズの伝統的な図案はいまだ世界中のコレクターに愛されており、例えば、このマンダレーのティーセットは、1984年から1994年にかけて英国で放送され、好評を博した「シャーロックホームズの冒険」シリーズ(俗に「グラナダ・シリーズ」)にて、ホームズの部屋、ベーカー通り221Bに置かれていた小道具と同じ物となっています。
いかにも、ヴィクトリア時代のティーセット然とした佇まいが、ホームズの暮らしを演出するのにぴったり。
また、マンダレー/Mandalayとは、現在はミャンマー(以前のビルマ)でヤンゴンに次ぐ第2の都市であり、1885年に大英帝国の植民地となるまでは、ビルマで独立を保った最後の王朝の首都でありました。言葉の響きに潜む東洋の神秘に想いを託して、名づけられたのかもしれません。
マンダレーシリーズは多くのアイテムが発売されていましたが、今回ご紹介するものはミルクピッチャー。
ごく小さい物のせいか、バックスタンプにはメイソンズ定番の王冠マークなどはついておらず、英字表記のみとなっています。そのため、詳細な製造年代は不明ですが、おそらく1920-1930年代頃のものではないかと思われます。
マンダレーシリーズらしい、東洋趣味が入った八角形の形状。
小さいながらも華麗な図案が施され、ポイントの金彩がエッジのきいたフォルムを引き立てています。
大英帝国の爛熟期、ヴィクトリアンの雰囲気がたっぷりの東洋趣味の意匠は、英国の人々に長く愛されてきた、確かな存在感を感じさせます。
歴史と伝統をしっかりと受け継いだ、小さな逸品をどうぞご堪能ください。
◆England
◆メーカー:MASON'S
◆推定製造年代:c.1920-1930年代頃
◆素材:陶器
◆サイズ:幅約6.5cm 奥行き約5cm 高さ約6m
◆重量:約47g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*底や側面に多少の汚れがみられますが、ヒビ、欠けなどはございません。
*全体に貫入がみられます。これはヒビではなく製法による表情ですので、ご了承を願います。
*古い陶器ですので、取り扱いには十分ご注意ください。
*古い陶器に急に熱い物をいれると割れる可能性がございます。器自体を予め温めてから入れるか、熱いものはいれずに、冷たいもののみにご使用いただくか、お花などを飾ってお楽しみいただくのがおすすめです。
*画像の備品は付属しません。
*以上、ご了承の上お求めください。
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