ハットピンとは、文字通りハット/帽子につけるピンのこと。
現代でもハットピンはアクセサリーのひとつとして流通していますが、昔のヨーロッパで使われてきたハットピンとは少し違います。
どちらもトップの部分にモチーフがついていて、その下が細い針状のものとなっており、帽子に刺して使うところまでは一緒。
ただ、近年の物は針の部分がせいぜい3-5cmくらいなのに対し、昔の物は20cm近くあるものも多くあります。
これは、やはり女性のヘアスタイルの変化によるもの。
基本的に大人の女性は髪を長く伸ばし、結い上げて帽子をかぶることが外出時のスタイルでした。小さな帽子などはすっぽりかぶることができないので、長いピンで結い上げた髪にその都度留めることが必要だったのです。
裕福でお洒落な女性は多くのハットピンを持っており、そのために考え出されたのが、今回ご紹介するようなハットピン・スタンド。
デザインは様々なバリエーションがありますが、ベース部分が針山のようになっていて、ピンの先を受けるようになっているのが多かったようです。
このハットピン・スタンドも、ベース部分はベルベットで覆われた針山のようになっており、周囲は銀色の金属で覆われています。
端部には「E P」の刻印がみられますので、仕上げは19世紀後半から流通した「electro plated/銀メッキ」でしょう。
底面は金属となっており、この金属の重しによって安定したスタンドとなっています。
立ち上がり部分は、ピンを支えるような構造になっているのはもちろんですが、他に小さなフックのような形状もあり、リングやネックレスなどを掛けて置くことが可能です。
レディの装飾品をちょっと置いておくことのできる便利なアイテムとして、ドレッシングテーブル周りに置かれていたのではないでしょうか。
現代の生活では長いハットピンを使うことはないかもしれませんが、リングやブレスレットなどの一時置きとして便利にお使いいただけそうです。
優雅に結い上げた髪を外出用の帽子で飾った、かつての英国のレディ達の姿が目に浮かんでくるような、実用的な英国アンティークのひとしなです。
◆England
◆推定製造年代:c.1900-1910年代頃
◆素材:合金にシルバープレーテッド(銀メッキ)・布・金属
◆サイズ:幅約9.5cm 奥行き約6.7cm 高さ約14.5cm
◆重量:約141g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物のため、小傷や汚れ、錆や変色、布の擦れ等がございます。
*画像の備品、アクセサリーは付属しません。
*上記ご了承の上お求めください。
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