英国アンティーク、マジックランタンのスライド原版。
マジックランタン、ご存知でしょうか?
日本語では幻灯機。
諸説ありますが、西洋では17世紀にイエズス会のアタナシウス・キルヒャーが 文献に記したのが最初といわれています。
ロウソクやランプを光源に、ガラスに描かれた図像を、レンズを通してスクリーンに投影するという仕掛けのマジックランタンは現代のプロジェクターの原型ともいえるものでした。
英国では19世紀ヴィクトリア時代に、マジックランタンの巡回上映が盛んとなり、たいそうな人気を博しました。
様々な工夫をこらしたガラスのスライドを駆使し、ドラマティックに演出された上映に、子供はもちろん大人も夢中になったといわれています。
その後は映画の発展によりマジックランタンは時代に取り残され、一部のコレクター達のみが愉しむアイテムへと変わってゆきました。
今回ご紹介するアイテムは、そのマジックランタンのガラス原版。
英国のマーケットで、小さな箱に十数枚のセットで入っているものを手に入れました。
ディーラーからの情報としては「All Victorian Hymns!/すべてヴィクトリア時代の讃美歌」。
はい、私も状態からみてそのくらいのものだと思います・・・。
この1枚はタイトルが「"Almost persuaded "now to believe」。
日本語訳は不明ですが、作詞作曲はフィリップ・ポール・ブリス/Philip Paul Bliss/(1838-1876)。
アメリカの指揮者・作曲家であり、バリトンのゴスペル歌手でもあった人物です。この曲が発表されたのは1871年。
ガラスに印刷された文字や飾り枠が、黒から一部銀色っぽいグレーに変色しています。
おそらく、マジックランタンが発する熱で変色したのではないかと思われます。
大きさは約8cm程度の正方形。
四方の辺は紙(布?)テープで覆われており、小さなラベルでタイトルが書かれています。
教会での集まりのときに、マジックランタンで大きく映し出して、皆で歌ったのではないでしょうか。
光あふれる窓辺にそっと置いてみたり。
キャンドルの灯を背にしてディスプレイしてみたり。
透明なガラスに浮く文字が儚く美しい、英国アンティークの稀有な小品です。
◆England
◆推定製造年代:c.1870-1900年代頃
◆素材:ガラス・紙(もしくは布)
◆サイズ:約8.2×8.2cm 厚み約0.2~0.3cm
◆重量:約47g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物のため、小傷や汚れ、変色、周囲のテープの傷みや破れ等がございます。
*ガラスで出来ていますので、お取り扱いにはご注意ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上お求めください。
お品物の購入はショップにてどうぞ。
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Reminiscence Antiques & Collectable
by d+A