アールヌーヴォーの美しき温度計。
ロンドンより西に1時間ほどいったところある大きな競馬場。
そこで行われていたアンティーク・フェアで、この温度計を手に入れました。
屋内のストール、品の良い壮年のご夫婦のコレクションはアールヌーヴォーのものがほとんど。良い品々を扱っていらっしゃる雰囲気がにじんでおりました。
テーブルの奥のガラスケース中段にあるこの温度計に目をとめたのは、自然なことだったように思います。
声をかけ、手にとってみせてもらい、お値段を聞き…一度は断念。
他のストールへと足を伸ばしかけましたが、うーん、やっぱり、どうしても、と戻って手に入れてしまいました。
ご夫妻によれば出自はフランス。
ただ、名のある工房のサインがあるわけでもなく、あるのはただ美しい姿のみ。
それでも、アールヌーヴォーを代表する家具作家、Louis Majorelle/ルイ・マジョレルを思わせる全体の伸びやかな曲線、
宝飾作家VERNIER Emile-Seraphin/ヴェルニエール・エミール-セラフィンの繊細さを彷彿とさせる下部の凝った透かし細工。
アールヌーヴォーならではの植物モチーフが絶妙に配された、とてもとても素敵なデザインであると思います。
折りたたみ式の脚で自立し、上部には吊り金具がございますので、壁に掛けることも可能。
温度表示は摂氏。
英国では1960-1970年代頃から華氏から摂氏への切り替えが行われましたが、20世紀前半はまだまだ華氏表示。
一方、フランスでは18世紀から摂氏表示が使われておりました。なので、摂氏表示は当然のことと思います。
文字盤に多少のワレや汚れはあるものの、現時点で温度計は動作し、大体はあっていると思われます。
温度計としての役割は果たしつつ、間違いなく小さな芸術作品といってもよい、類まれな逸品。
世紀末のフランスから、退廃の美を纏い、今貴方にお届けいたします。
◆France
◆推定製造年代:c.1900年代頃
◆素材:真鍮・他
◆サイズ:幅約7.4cm 高さ約17cm 厚み約1.2cm (置いた時の最大奥行き約10cm)
◆重量:約122g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物のため、小傷や汚れ、錆、歪みや変色等がございます。
*現在のところ、大体の気温はあっておりますが、正確な計測にはお勧めいたしません。
*折りたたみ式の脚は、途中にストッパーなどは特にございません。最大広げるか(奥行き約10cm)、途中でそっと止めるかです。表面が滑らかな面ですと、途中でとまらない場合もございます。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上お求めください。
お品物の購入はショップにてどうぞ。
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